[4日目]
まるで男子学生並みの適当さで突き進んで来たこの旅も、もう終わり。
最後に立ち寄るのは興福寺。
ホテルの前の道をひたすら真っ直ぐ歩けばたどり着くのだけど、
道すがら、誘惑的な店が並んでいる。
美味しそうなお土産屋さん各種とか、お香屋さんとか(お香好きだったりする)、
趣のある看板とか、マンホールにまで反応するから、遠い遠い(笑)。


趣のある看板(その1)
地酒の醸造元らしいけど、飲み損ねたのが心残り。

看板(その2)
銀行も鹿のマーク♪
↓マンホールにも鹿さん。

紆余曲折のすえ、ようやく
興福寺にたどり着く。
南円堂の裏の方から入ったのだけど、なんでも悲願の「中金堂」再建計画中とかで、
前に来たときに比べると妙にだだっ広い空間がある。
2010年完成を目指しているのだそうだ。
なにはともあれ、目指すは国宝館。
いわゆる趣のある古い木造寺社建築ではなくて、冷暖房完備の鉄筋コンクリート造りだ。
入った真正面にいきなり、「あ、デカイ顔」
高さ1m以上ある仁王様の生首がどてんと出迎えてくださる。
――首を作ったものの、仁王象をつくる予定が計画倒れになってしまい、
体は造らず中途半端になったものらしい。
びっ…びびるじゃないかっ。
チケットを買おうとした後ろのお婆さんもビクッと怯えていた。
配置に若干、問題があるかと。
仏像達は どれも表情や仕草が個性的。
浮き上がる筋肉、血管が見事に写実された
金剛力士立像の迫力や、
運慶の工房が担当した二つの菩薩立像の写実性には感動。
かと思えば、
木造天燈鬼・龍燈鬼立像や、
木造四天王立像は、
どことなくユーモラスで気持ちがほっこりする。
有名な阿修羅像を代表する
乾漆八部衆立像は、
仏教がインドから流れてきたという異国情緒が漂うようで、
当時の仏師の鋭い感性に感じ入るばかり。
阿修羅像の愁眉に満ちた表情は、光瀬 龍氏や萩尾望都さんの
『百億の昼と千億の夜』でインプットされた壮大な物語世界と重なり、私の中では別格。
ほかにお気に入りなのは「迦楼羅像」←鴉天狗のモデルと勝手に解釈(笑)。
仏像に微かに残る色で、造られたときは鮮麗な色彩だったことが分かる。
でもっ……
こんなものを見つけてしまった。
うーむ…。
確かに、大陸から入ってきたのだから最初はそうだったんだろうけど。
わびさびの日本の風土には思いっきり違和感。
イメージがガラガラと音をたてて崩れていく……。
そして何よりも圧巻なのは、国宝館のど真ん中に位置する、
木造千手観音菩薩立像。
背中からびっしり生えた沢山の手には、斧、紐、薬壷などなど様々な道具が握られ、
ちょっと苦しそうな、でもおだやかなお顔。
なんとかして煩悩深き人間を救おうとして下さるお姿に、無条件に心がほどける。
境内には、神獣の鹿がたくさんいて、そこらじゅうをうろちょろしている。
鹿せんべい屋さんの横に陣取り、客がせんべいを買うのを待っている
ちゃっかりやもいれば、一回り小さい鹿は今年生まれた仔かな。
生えはじめた小さい角はまだ毛に包まれている…可愛い〜♪
思わず触らせてもらっちゃった。
途中、お坊さんたちの厳粛な読経が聞こえてきたので、
そのお堂を探したのだけど、中、覗けない。
いやあ、いい声ですな。
つい、まったり聞いていたら、相棒氏の白い目が…。
「実は美坊主萌えなのだ」ということをはにかみながら告白。←脚色。
お坊さんが大勢いる所では、私はいつも煩悩まるだし。
ちょっといいカラダしてる(腹筋とかがしまってる)美坊主だったらもっとよろしい。
いかんっ…煩悩全開ではないか。
今思い出したけど、この坊主萌えは、以前
声明(しょうみょう)を聞きに行ったのが発端だったかもしれない。
いい加減にしないと、お心の広い千手観音サマにまで見捨てられてしまう。
……………話がそれた。
その後、奈良公園をだらだら散策するつもりだったけど、
鹿と遊んでいたら体が冷えてしまったので、適当な食べ物屋へ。
とにかく温かいものが食べたくて、きつねうどんと豆腐の田楽をチョイス。
このきつねうどん。
丼と同じくらいの大きさのふっくらした揚げが入っていて美味しい。
きつねうどんで感激したの、初めてだよ〜。
もう、ここに住む。
←え?夢中になって食べ終わってから、写真を撮るのを忘れたことに気づくのだった。←またかよ。
さあ、京都に出て新幹線の時間まで買物をするのじゃっ。
ところで……近鉄奈良駅はどこ?
4日目つづく。。。